2014年04月11日
「STAP細胞」事件の渦中の人、小保方晴子さんの会見には300人からの報道関係者が集まったという。TVやニコニコ動画の生中継、各紙の号外、速報などで、一般の関心も異常に高まった。この件で、東北大学大学院医学系研究科の大隅典子教授に、メールでQ&Aに応じていただくことが出来た。より深く科学的な背景を踏まえ、先行研究との関係などを理解した上で、今後を占う。そうした観点から学ぶ点が多かったので、報告したい(大隅さんは日本分子生物学会理事長だが、以下はあくまでも個人としての意見だそうだ。御多忙中の御協力に感謝する)。
(1)小保方晴子理化学研究所ユニットリーダーの会見(4月9日)で、STAP細胞の真偽や実験や論文の適否という本質的な点から、理研報告にあった「不正」「捏造」「改ざん」などの判定が妥当か、という点に局面がシフトしてしまったようです。本人に悪意があったかどうかは別として、これだけ明白なルール違反を複数犯している以上、罪は免れ得ないと思うのですが、まずは率直に、この会見への感想をお聞かせください。
この会見は科学者向けに意図されたものではなかったと思います。
科学者の世界では、自身が気付きながら故意に「改ざん」等を行った時点で、その論文は不正とみなされるのがルールです。捏造や改ざんについての多数の疑義は、すでに論文不正摘発サイトで指摘されています。
もっとも重要なのは、博士論文からの図が転用されているのではないか、という点ですが、こちらについては(後で述べるように)「不服申立書」の記述と合わせて論理的な矛盾があります。
(2)画像データへの疑義について、会見では小保方さん側から「意図した改ざんではない」という反論があったと思います。これについては、どう考えたらいいのでしょう。
もともと
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