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日本の有人宇宙技術を消滅させないために

山崎直子 宇宙飛行士

 アニメ放映もされた漫画「宇宙兄弟」では、2026年に弟の日々人が、日本人として初めて月面に到達する設定になっています。では実際に、日本人が月面に降り立つ日はくるのでしょうか。若田光一飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)船長をつとめて無事に帰還した5月にも寄稿しましたが、ここでもう少し考えてみたいと思います。

 日本の宇宙活動を国家戦略として定める「宇宙基本法」が、関係者の尽力で成立したのが2008年。それに基づき、今後10年程度を視野に置いた5年間を対象とした「宇宙基本計画」が策定され、最新版は2013年1月に策定されました。私も宇宙政策委員会委員として議論に参加してきましたが、優先順位は、「宇宙利用の拡大と自立性の確保に向けた取組(注:主にロケット及び人工衛星)について必要十分な資源を確保し、学術コミュニティーによるボトムアップの議論を踏まえ実施される宇宙科学(学術としての宇宙探査を含む)に一定規模の資源を充当した上で、宇宙探査(有人・無人双方を含む)や有人宇宙活動等にも資源を割り当てる」となっています。つまり、有人宇宙活動は最後に位置づけられ、実際にISS経費は年々削減しています。もちろん、国として行うプロジェクトは不断の経費削減に務めることは大前提ですが、これはどのプロジェクトでも同じはずです。

 優先順位の低い有人宇宙活動は、このままだと自然消滅になりかねない恐れがあります。ISS計画が終了する2020年あるいは2024年以降、日本の有人宇宙開発をどうするのか、今まで培ってきた、宇宙飛行士だけでなく、宇宙実験や運用管制の技術も含めた有人宇宙技術をどうしていくのか、その展望が必要になります。

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筆者

山崎直子

山崎直子(やまざき・なおこ) 宇宙飛行士

宇宙飛行士、立命館大学客員教授、女子美術大学客員教授。東大工学部航空学科修士課程修了、1996年に宇宙開発事業団(現・宇宙航空研究開発機構)に入り、2001年に宇宙飛行士に認定。10年にスペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗、国際宇宙ステーション組み立てに参加した。2011年8月に宇宙航空研究開発機構を退職。著書に「夢をつなぐ」(角川書店)など。

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