2014年07月16日
京都大学の次期総長(学長)が決まった。今回は、選考会議が「大学の国際的な競争力を高める」ために、海外の大学や研究機関に候補者の推薦を依頼するという国際公募を行ったことで話題となった。しかし結果的には、国際公募では京都大学学長候補としてふさわしいとはいいがたい一名のみの推薦しかなかった。このため、選考会議は学内の教員6人を最終候補として残し、「意向調査」と呼ばれる学内教職員約2千名の投票を行い、最多得票を獲得した候補が次期学長に決定したということである。
この結果は、昨今の大学の「改革」論議に対して、多くの示唆を含む。それについて考えてみたい。
従来、教職員による学内投票によって決定されていた国立大学学長は、国立大学法人化以後、学外有識者も含めた学長選考会議が、自らの権限と責任により学長の適任者を学内外から選考する方式となった(国立大学法人法第12条)。しかしほとんどの大学では、現在でも「学内意向投票」が行われ、選考会議はその結果を尊重するという形で従来の方式が踏襲されている。ただし、一部の大学では選考会議が学内の意向投票の結果を尊重せずに学長を決定したために、学内からの大きな反発をよび、さらには訴訟にまで発展した例もある。
実は私は学長選考においては必ずしも学内意向投票の結果を尊重する必要はないと考えている。その理由は、
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