2014年07月21日
「おかしい」という指摘があってからもう4カ月にもなる。
理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2011年に早稲田大学に提出した博士論文のうち、約20ページ分がネット上の文章と酷似していて、コピペ(コピー・アンド・ペースト、切り貼り)の可能性があるという記事を書いたのは3月11日だった。
当時、国立国会図書館(関西館)所蔵の博士論文(英文)を読んでびっくりした。
米国立保健研究所(NIH)がネット上で掲載している文章と酷似していた。「幹細胞とは?」などという幹細胞の基礎知識を一般市民向けに説明したものだ。博士論文の第1章部分がほぼそのままネット上の文章と一致している。
これでは博士論文として失格だろうと思った。
そして、7月17日、早大近くのホテルでこの博士論文に関する調査委員会(委員長・小林英明弁護士)の記者会見が開かれた。会見に出席した私は、調査報告書の概要を見て2度目のびっくりである。
博士論文には「多数の問題箇所があり」「内容の信憑性及び妥当性は著しく低い」と認定した。そして「不正行為にあたる」というものの、結局「学位取り消し要件に該当しない」というのだ。
驚いたことに国会図書館に収められている博士論文は下書きの「草稿」だったというのだ。「最終的な完成版の博士論文を製本すべきところ、誤って草稿を製本し大学へ提出した」という小保方氏の言い分を認めている。
全く理解に苦しむ展開だ。
私は記者会見を聞いた上での疑問点を18日、朝日新聞朝刊の解説記事に書いた。
その後、19日になって、記者会見で公表されていなかった報告書全文がネットで公表された。報告書もふまえて、もう一度、3つの疑問を投げかけたい。
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