メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

新国立競技場:ザハのオリジナル案を生かす最高傑作をつくるべきだ(下)

北野宏明 ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長

オリジナル案の復活を!

現在の案=日本スポーツ振興センター提供
オリジナル案=新国立競技場審査資料から

 新国立競技場の設計について、今の時点からどれだけの変更が可能かは分からないのだが、私は、オリジナルの中央線を越えていくぐらいの迫力のあるデザインに戻していただきたいと思う。

 その場合(下図B)、千駄ヶ谷駅と信濃町駅の中間を超えて、慶応病院側に伸びていくことになり、手前のアイス・スケート場を含んだものになるなど大規模になる問題は確かに存在する。しかし、逆に考えると店舗などの商業設備がテナントとして入居できる設計にすれば、この地域に対する経済効果は極めて大きなものとなるであろう。絵画館前などに雑然と立てられた施設をここに統合し、地域全体での景観の整備を推進する可能性もあるであろう。

 さらに、首都高4号線に沿ったこの区域は、有効活用されているとは言いがたい。一気に再開発することは考えられないのであろうか?大江戸線の国立競技場駅の真上であり、アクセスは抜群である。国立競技場にサッカーを見に行くときにいつも感じていたのは、周りに店舗が少なく、試合の前後は、直ぐに、原宿方面や青山方面に行かないと食事もできない状況であり、非常に不便だということである。

 もっと妄想を膨らませるなら、角度を変えて、絵画館から青山通りに抜ける軸と平行にして、北側を千駄ヶ谷駅まで連結できると極めて便利になる(上図C)。その北側には、新宿御苑があり、ザハのデザインで新宿御苑と外苑をつなげると、人の流れが根本的に変わるであろう。ベストは、まっすぐ新宿御苑につなげることだが、現在ここには、創価国際友好会館があるので、これを迂回する必要がある。仮に将来的に創価国際友好会館の場所を利用することが可能になれば、理想的な配置が可能となる(上図D)。

 いずれにせよ、首都高4号線を超えなければならないので、

・・・ログインして読む
(残り:約2578文字/本文:約3335文字)