2014年09月10日
昨年春、ホールボディカウンター(WBC)検査によって福島県民の食品による内部被曝は十分低く抑えられている、という実態が明らかになった(WEBRONZA 「食品による内部被曝はほとんどないーホールボディカウンター検査が明らかにした福島の実態」(http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013041200006.html)。このことの解明に検査を担当した医師だけでなく、普通は世の中の雑事には関わらないはずの物理学者も関わっていたことはそのときに書いた。しかし、彼らにはまだまだこだわるべきことがあった。それは、福島第一原発事故からまだ日の浅いときに「遮蔽なしWBC」で計られたほとんど打ち捨てられていた「測定データ」の解析だった。
2011年3月の事故から約3ヶ月後の6月28日、南相馬市立総合病院の駐車場に一台の大型バスが到着した。その中には、Aメディカル社製のホールボディカウンターが搭載されていた。もともと日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターにあったものを移送してきたのだ。こんなものである。
同病院の医師たちはこの最新鋭の道具を使って、市民の検査をどんどん進めた。内部被曝をしているかどうか、それが医師にとっても市民にとっても最大の関心事であった。一人ずつ一分間、椅子型WBCに座り、体から出るはずである放射線を計測してもらい、「通常以上」であれば、内部被曝の可能性がある……検査した人数は、7月11日から29日の間で、556人になった。
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