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再生エネルギーの「受け入れ凍結」と原発再稼働を考える(下)

吉田文和 愛知学院大学経済学部教授(環境経済学)

 電力会社が表明した再生可能エネルギー「受け入れ凍結」の問題点、日本の電力制度がめざすべき方向、そしてFIT先進地である欧州の制度と日本の制度の違いなどを(上)で論じた。「日本のFIT制度は、再生可能電力の優先接続の原則をまず確立することが不可欠」というのが一つの結論であり、この点で、再生可能エネルギー固定価格買取法の第5条の改定が必要である。

 次に、技術進歩に対応した買取価格の見直しを、より柔軟かつ頻繁に行うことが必要である。このようなFIT制度そのものの改革と並行して、さらに再生可能エネルギーの優先接続の確保のために、風力発電やバイオマス設備の許認可、環境アセスメント条件などの規制改革が是非必要であり、基本的なインフラ設備である送電網の拡充、調整電源への投資が急務である。

原発再稼働問題

 再生可能電力の受け入れ凍結を表明した九州電力と北海道電力は、それぞれ川内原発と泊原発の再稼働申請を行い、川内原発については、申請が原子力規制委員会から許可された。そこで、再生可能電力の受け入れ制限を行うことは、実質的に原発優先という電力会社の政策が表明されたとみなされる。

 再生可能電力の導入による電力料金の値上がりの国民負担が強調される一方で、 ・・・ログインして読む
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筆者

吉田文和

吉田文和(よしだ・ふみかず) 愛知学院大学経済学部教授(環境経済学)

1950年生まれ、兵庫県出身、京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士。北海道大学大学院経済学研究科教授を経て2015年から現職。北大名誉教授。専門は、環境経済学、産業技術論、主著『ハイテク汚染』岩波新書、『環境経済学講義』岩波書店、最近は低炭素経済と再生可能エネルギーの普及に関心を持つ。札幌郊外の野幌原始林の近くに住み、自然観察と散歩を趣味とする。

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