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人里近くで休む子連れのヤクザル(星川加代子撮影)拡大人里近くで休む子連れのヤクザル(星川加代子撮影)
 このところ、わが家の農園には3~4頭のヤクシカ(ニホンジカの固有亜種、屋久島と口永良部島に生息)が自由に出入りしている。しかし、母鹿が子鹿を1頭連れているときと、2~3頭連れているときとがあるので、別々の母子なのかもしれない。もちろん、ヤクザル(ニホンザルの屋久島固有亜種、ヤクシマザルとも)は以前から出入り自由だ。こちらは騒がしく鳴き交わしながら川沿いの森を通過するついでに寄っていく群れと、ひっそり果樹や菜園の実りを失敬するオスのはぐれ猿とがいる。

 30年ほど前、民有地としては例外的に深く自然林(国有林)へ入り込んだ標高200メートルあまりの果樹園に住み着いた際、サルのこともシカのこともあまり頭になかった。当時からヤクザルによる農作物の食害は耳にしたが、それほど深刻な印象ではなかったし、わが家のある島南部ではほとんど聞かなかった。島の中央部高山帯へアクセスする唯一の基幹林道沿いで、かつて餌付けされたヤクザルたちが観光客を待つ姿に苦笑することはあっても、里山の日常生活で気にする相手ではなかった。 ・・・ログインして読む
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筆者

星川 淳

星川 淳(ほしかわ・じゅん) 作家・翻訳家、一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト代表理事

1952年東京生まれ、作家・翻訳家。一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト代表理事。82年より屋久島在住。国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの前事務局長。著書に『タマサイ』(南方新社)、『魂の民主主義』(築地書館)、訳書にP・アンダーウッド『一万年の旅路』(翔泳社)、共著に坂本龍一監修『非戦』(幻冬舎)など多数。 著者サイトはこちら。アシタノアシアト  【2016年5月WEBRONZA退任】

 

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