メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

明確になってきた子宮頸がんワクチンの副作用

推進派と批判派がともに登壇した日本医師会・日本医学会合同シンポジウム

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

 推進派と批判派が初めて同じ会場で議論するという触れ込みで12月10日、「子宮頸がんワクチンについて考える」と題した日本医師会・日本医学会合同シンポジウムが日本医師会館大講堂で開かれた。このシンポジウムの意義は、何よりもまず「重い副反応の病像が相当程度明らかになった」ことだろう。ワクチン接種を推進すべきかどうかについては突っ込んだ議論がなかったが、副作用の情報収集の強化や患者への手厚い支援が必要という点では大方の意見が一致していた。

 信州大学医学部長の池田修一教授のもとにはワクチン接種後に体調が悪くなったと訴える73人が受診、うち6人はワクチンとは関係ないと判明し、残る67人が副作用である可能性を否定できないという。ワクチン接種からかなり時間がたってから症状が出るのがこれまでにない特徴で、発症までの期間の平均は4.7カ月±3.9カ月。1年以上たってから発症する子もいた。

 当初は体のあちこちの痛みや頭痛やめまい、運動障害といった症状を訴えることが多いが、時間が経つにつれ半数近くが学習障害を起こす。その子たちの脳を検査すると、約半数に処理速度が遅くなっているなどの明らかな異常があった。

 「これまで経験のない病状で、最初のころは『心因』と言ってご両親や患者を傷つけてしまった。私の知識が足りなかった」と池田教授は省みた。

 西岡久寿樹・東京医科大学医学総合研究所長は、

・・・ログインして読む
(残り:約1109文字/本文:約1708文字)