下條信輔(しもじょう・しんすけ) 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授
カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授。認知神経科学者として日米をまたにかけて活躍する。1978年東大文学部心理学科卒、マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。東大教養学部助教授などを経て98年から現職。著書に『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書)『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
大変貌を遂げてきた日本の科学の「間違い」
前稿では、理研とネイチャー誌の広報費を巡る金銭関係と、インサイダー取引疑惑を採り上げた。理研小保方事件をはじめとする科学不正の背景に「ビジネスモデルの性急な適用」がある、との見通しがあったからだ。
ここまで、詳しく説明せずに「ビジネスモデルの適用」と書いてきたが、筆者が考えるその具体的な中身を、ここで整理しておこう。
まず第一に、(先に実例を挙げた通り)カネが絡む。その絡み方がむき出しで、規模が(投資も成果要求も)大きい。その結果、研究者自身までが個々の研究や実験単位ではなく、大プロジェクトや研究所全体の利害でモノを考えるようになる。
これに関連して第二に、
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