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ちょっとした変更で日本企業は生まれ変わる

イノベーションを起こすために必要なのは上流段階での市場調査

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

イノベーションに足りない”何か“

 青色LEDでノーベル物理学賞を受賞した米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二氏は、授賞式前の共同会見で、日本人の良さとして、「勤勉で実直」「高品質な製品を作れること」と述べた(日経新聞2014年12月7日)。 

 まったく同感であるが、イノベーションを起こすためには何かが足りない。その“何か”について中村教授は、「誰もやったことがない挑戦を怖がらないこと」、すなわち「ベンチャーを起こすこと」を強く主張している。

 それにも同感であるが、企業に在籍する多くの研究者や技術者が中村氏のようになれるわけではない。中村氏には、人並み外れた強靭な精神力と行動力があって、それが青色LEDのイノベーションの原動力となり、ノーベル賞という快挙に結びついた。誰もが真似できることではない。

 では、勤勉実直で高品質な製品をつくることができる、ごく標準的な日本人研究者や技術者が、イノベーションを起こすためにはどうしたら良いのだろうか? 筆者は、研究開発の進め方について、ちょっとした変更をするだけで、イノベーションを起こす確率が格段に高まると考えている。

 結論を先取りすれば、その答えは

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