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続・中韓のソフト外交戦略の共通項

慰安婦像問題と、米国で台頭する韓国移民勢力

下條信輔 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

 前稿では、中国が日米の大学に無償で設置している語学研修機関「孔子学院」について述べた。「中国政府のスパイ機関」と断定できるかはともかく、直接的な軍事作戦などより効果的な「海外ソフト戦略」なのでは、と分析した。本稿では、韓国の移民戦略を採り上げる。一見全然違う問題のように見えて、「国ぐるみの海外ソフト戦略」という共通点があることに気づくはずだ。

慰安婦像問題の背景にあるもの

米グレンデールに設置された慰安婦像。隣に座る元慰安婦の女性を、市議らが囲んだ=2013年7月30日、藤えりか撮影
 慰安婦像とは朝鮮人慰安婦の少女を模した像のことで、韓国と米国各地に設置されている(「慰安婦碑」というのもあって、両方設置の場合もある。米国内では「碑」の方が「像」より多いが、以下ではまとめて扱う:ウィキペディア他、以下同)。

 2011年末、ソウルの日本大使館前の歩道に市民団体によって「平和の碑」と慰安婦少女像が違法に設置された。日本政府は韓国に対して撤去を要請しているが、現在も放置されている。

 カリフォルニア州グレンデール市の公園にも、同様の像がある。これは(ソウルとは違い)合法的に設置されたものである。ミシガン州デトロイト市の韓国人文化会館前にも像がある。碑はニューヨークやニュージャージーなどにもある。

 ここで筆者は、慰安婦像(碑)問題そのものを論じるつもりはない。むしろ検討したいのは、その背景にある韓国の移民「戦略」のことだ。

 順を追ってポイントを挙げよう。

韓国系移民の存在感

 まず第一に、

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