男女共同参画に立ち遅れる日本、航空宇宙分野から突破口が開けるか
2015年03月13日
最近、「宙(そら)ガール」という言葉が広まってきました。宇宙に興味をもつ女性が増えてきて、おしゃれな宇宙グッズも増えてきましたが、実際に、航空宇宙分野での男女共同参画はどうなっているのでしょうか。
宇宙飛行をした人の数は世界で500を超え、うち女性は約1割です。ちなみに、私は2010年4月に飛行しましたが、その時点で527番目、女性では54番目でした。JAXAの宇宙飛行士募集への応募者をみると、女性の割合は約1割ですから、もっと多くの女性がまずは興味をもって応募をしてくれればと思います。ちなみに、スペースシャトル飛行時には、7名の搭乗員のうち3名が女性で、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在中の女性1名も含めて4名が同時に宇宙に滞在したことは記録となりました。
私も所属していた宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、常勤職員のうち18%が女性で、技術系では10.4%。男女共に、子育てや介護などの家庭と仕事を両立出来るような組織をつくり、航空宇宙分野の活力を一層高めることを目指し、創立10周年目の2013年に、男女共同参画推進室が設置されました。柔軟な組織作りは、男女の枠だけでなく、世代や国籍を超えた広いダイバシティーを受け入れることに繋がっていくものと思います。
日本の男女共同参画の順位が、世界の中で大変低いことはよく知られているかと思います。世界経済フォーラム(WEF)の「Gender Gap Report」によると、2012年で101位、2013年で105位、2014年で104位となっており、特に政治権限やマネジメント職への関与で低い点数となっています。他のアジア諸国ではフィリピンが9位、モンゴルが42位に入っていますし、日本は先進国のうち最下位という不名誉な位置にいます。そしてその改善のスピードがまだ遅い状況です。
日本の研究者の女性比率も、2000年の10.6%から、2013年で14.4%と徐々に増えているものの、まだ世界128位です(出典:Gender Equality White Paper 2014 及び 科学技術白書)。また、私が属する工学の分野ではより低く、10%以下という現状です。
『なぜ理系に進む女性は少ないのか?』という
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