本当の意味での家庭との両立が、研究の発展につながる
2015年03月16日
研究所はスウェーデン最北の都市(北極圏内)という地理的特徴を生かした地上観測と、宇宙探査という超長期的視野の必要な研究が主力であることから(日本の宇宙科学研究所と極地研究所の研究部門だけを足し合わせたようなもの)、理学と工学の中間の性質を兼ねている。従って、部門長(教授)には、科学者としての名声だけでなく、観測装置や、その設置・設計にもある程度の知識・経験のあるものが選ばれる。
そんな研究所で、今まで女性教授の方が多かったのである。3年前に1人亡くなるまでは3人の女性教授がいた。この教授ポストは日本で時折みられるような「女性優先」ポストでは決してない。3人のうちの2人はスウェーデン王立アカデミー(ノーベル物理・化学賞の選考組織)のメンバーであり、3人目も独力で自分の分野を切り開いた人だ。さらに3人とも母親(子供は計7人)であって、日本のように「仕事か子供か」の二者択一を迫られたわけではない。
日本では考えられない光景ではあるまいか。特に研究所の業務を考えるなら、日本に限らず、ほとんどの国で「オヤジ集団」を思い浮かべるだろう。だが、北欧は少し違うのである。
まず、
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