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日本の半導体回復のカギは大学にある

大学の論文数と出荷高の関連から考える

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

半導体の三大重要学会の一つ、VLSIシンポジウム

 VLSIシンポジウムは、半導体の三大重要学会の一つである。あと2つは半導体のオリンピックと呼ばれるISSCC(International Solid-State Circuits Conference)と、半導体デバイスの国際学会IEDM(International Electron Devices Meeting)で、どの学会も論文採択率が20~40%と狭き門であり、そのため非常に高いクオリテイが維持されている。

 毎年6月に京都とハワイで交互に開催されるVLSIシンポジウムに注目し、国別の論文数を分析した。このシンポジウムはシステム・回路設計技術に関するCircuits分野と、デバイス・プロセス技術に関するTechnology分野の2つに分かれ、それぞれの分野で採択された50~100件程度の論文が発表される。

 今回、1981~2014年のTechnology分野と、1987~2014年のCircuits分野、それぞれについて、国別の論文数をカウントし、そのシェアを算出した。その際、著者が複数の場合は、筆頭著者の国籍をカウントした。その結果、Circuits論文シェアと半導体出荷高シェアとの間に相関関係がありそうだということが分かった。

TechnologyおよびCircuits論文シェアの状況

 Technology分野では、1995年まで日本が50%以上の圧倒的なシェアを占めていた(図1)。ところが、

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