不思議な地震 3・11はプレート深部にも影響?
2015年06月30日
先月末には小笠原諸島西方沖で地震が発生した。これで改めて注目されたのが、東日本大震災を起こした地震の影響だ。太平洋プレートの非常に深い部分にまで影響を与えている可能性があるということだ。観測史上最大のマグニチュード(M)9の地震からまだ4年。当面は「活動期」が続くと考えた方がいいと、専門家は指摘する。
4年前の3月11日、岩手―茨城県沖で長さ500キロ、幅200キロにわたり、プレート境界が大きくずれ動いた。日本海溝付近でのずれは約50メートルにもおよんだ。地震時に宮城県牡鹿半島は5.3メートル東に動き、1.2メートル沈んだ。日本の観測史上最大の地殻変動だ。当時、研究者は困惑顔で「われわれの知らない日本列島になった」と話していた。
大地震の直後は、地震波によってマグマだまりが揺すぶられ、噴火のきっかけになる可能性がある。震災直後に地震活動が活発化した火山が13あり、富士山直下でもM6・4の地震が起こった。幸い、噴火に至らなかった。
ところが、昨年になって長野・岐阜県境の御嶽山が噴火、今年になって口永良部島が噴火した。もっとも東京大学地震研究所(地震研)の川勝均教授に聞くと「口永良部島は、東日本大震災を起こした太平洋プレートとは別のプレートなので、一緒には考えられない」という。
だが、5月30日午後8時23分小笠原諸島西方沖で発生した地震は、太平洋プレート内で起きたものだった。震源から約千キロ離れた東京でも長い間、揺れた。どこか遠くで相当大きい地震が起こったのだろうかと思っていたら、しばらくして気象庁が、マグニチュード(M)8・5と発表した。ぎょっとした。これは巨大な地震だ。だが、これは過大評価で、後日、M8・1に修正された。
地震学者が注目したのは、
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