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気候変動対策の主役に躍り出た自然エネルギー

日本の言う「自然エネは高い」「電力供給に支障」は、世界の非常識

大野輝之 公益財団法人自然エネルギー財団常務理事

 今年の6月に開催された先進国首脳会議は、「今世紀中における世界経済の脱炭素化」が必要という認識を、その共同声明に初めて盛り込んだ。

 「今世紀中の脱炭素化」という目標は、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書が、世界の温室効果ガス排出量について、2050年の2010 年比40~70%削減だけでなく、今世紀末までには少なくともゼロにしなければならない、としたことを踏まえたものだ。

 「脱炭素化」を実現するためには、エネルギー効率化を徹底した上で必要になるエネルギーを、炭素を排出しない方法で生み出さなればならない。その中心的な手段とみなされるようになってきたのが、自然エネルギーである。

 すでにIPCCは、2011年に公表した再生可能エネルギーの役割に関する特別報告書の中で、「2050年までには再生可能エネルギーが低炭素エネルギー供給の主要なオプションになる」としていたが、その後の展開を見ると、自然エネルギーは既に少なからぬ国で主役になりつつあるようだ。

火力発電より安くなった自然エネルギー

 気候変動対策における自然エネルギーの重要性を高めているのは、そのコストが急速に低下してきているためである。

図1 太陽光と風力の価格は低下している(IEA)拡大図1 太陽光と風力の価格は低下している(IEA)
 今年1月に公表された「国際再生エネルギー機関(IRENA)」の報告書は、風力発電などがすでに世界の多くの地域で化石燃料による火力発電と同じか、より安くなってきていると報告していた。これに続いて今年の8月には、日本政府が「エネルギー政策全般にわたる知見で高い国際的評価を得ている」とお墨付きを与える「国際エネルギー機関(IEA)」も、その報告書の中で、 ・・・ログインして読む
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筆者

大野輝之

大野輝之(おおの・てるゆき) 公益財団法人自然エネルギー財団常務理事

東京大学経済学部卒。1998年より東京都の環境行政を担当し、ディーゼル車排ガス対策、「温室効果ガスの総量削減と排出量取引制度」の導入など、国に先駆ける都の環境政策をリードした。2010年7月から3年間、東京都環境局長を務める。2013年11月より現職。2014年、カリフォルニア州からハーゲンシュミット・クリーンエア賞を受賞。著書に『自治体のエネルギー戦略』(岩波新書)など。

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