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速報! これから赤信号の宇宙天気

11月4日の太陽表面の爆発で、スウェーデン上空の飛行機が飛ばなかった

山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

 11月4日の午後3時半頃から5時頃まで、電波障害のためにスウェーデン南部の空が止まってしまった。飛行管制室のスクリーンが太陽フレアの影響で見えにくくなったのだ。飛行機の安全運行のためには、管制が飛行機をスクリーンで見ることが必須の条件となる。それができなくなったため、離陸を一切見合わせて、安全な着陸に専念した。

拡大日本の「宇宙天気予報」を出している情報通信研究機構(NICT)のサイト

 太陽活動の活発化によって人間社会が迷惑を被ることがある。そのため、太陽活動や地磁気の変動を事前に予想する「宇宙天気予報」が20世紀末から始まっている。これは、オーロラを研究する私のまさに専門分野である。その私にとっても、4日のこの出来事は予想外だった。

 太陽活動の11年周期というのは聞いたことがある人が多いだろう。100年以上も前から太陽黒点数が9〜13年周期で大きく変動していることは知られていたが、黒点だけでなく太陽から出てくるエネルギー(光や電波、太陽風等)も同じように変動している。これもかなり昔にわかっていることだ。

 そして、それに伴ってオーロラ活動も変動する。しかし、こちらのピークは黒点数が極大になる数年後に起こっている。2000年の極大の際は2003年に、1990年の極大の際には1994年に、それぞれオーロラ活動は最も盛んになった。その理由は、黒点そのものの強さが太陽活動極大の数年後に最大になるからだ。

拡大ひので衛星が撮影した2015年11月1日の太陽=国立天文台/JAXA/モンタナ州立大学提供

 誤解を恐れずに簡単なアナロジーで説明すると、太陽表面は沸騰しかけているお湯と同じだ。ただし、 ・・・ログインして読む
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筆者

山内正敏

山内正敏(やまうち・まさとし) 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

スウェーデン国立スペース物理研究所研究員。1983年京都大学理学部卒、アラスカ大学地球物理研究所に留学、博士号取得。地球や惑星のプラズマ・電磁気現象(測定と解析)が専門。2001年にギランバレー症候群を発病し1年間入院。03年から仕事に復帰、現在もリハビリを続けながら9割程度の勤務をこなしている。キルナ市在住。

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