野生動物の無事を願うことと自然保護は別問題
2016年03月15日
2015年12月5日の朝日新聞 に「シマフクロウ、あえて公開」という記事が載った。このような写真が掲載されたので、朝日読者には憶えている方も多いことだろう。
シマフクロウはかつて激減し、現在は少し回復して北海道に約140羽生息しているという。知床以外の個体の多くは環境省事業で与える餌に依存している。知床では、環境省事業で餌を与えていないが、ほとんどは巣箱で繁殖している。完全な野生とは言えない。
フクロウは夜行性だ。このような見事な写真を撮るには特殊な機器を使い、幾夜も粘ってようやく撮れるものと考えがちだが、朝日記事にある通り、よいカメラと腕があれば一晩でほぼ確実にこのような写真が撮れる。民宿の照明設備の工夫もあるが、最大の問題は餌付けである。せっかく人の餌に頼らずに個体数を回復させつつある知床のシマフクロウが、観光目的のために餌付けされている。
「タンチョウの給餌はよくて、なぜこの餌付けはいけないのか」と思うかもしれない。いいや、釧路のタンチョウも、豊岡市のコウノトリも、鹿児島県出水市のツルも、そろそろ給餌と餌付けをやめるべき時期に来ている(参考)。。しかし、餌付けをやめさせればよいとか、餌付けが絶対悪いというものではない。何より大切なことは、
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