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謝礼つき教科書説明会を見る視点

理科は実害ありません

渡辺正 東京理科大学教授

 昨年の10月、検定中の「白表紙本」を小中学校教員らに見せて謝礼を渡す教科書会社の慣行がメディアで指摘された。以後の調べによると、全22社のうち10社が3000円~5万円の現金や図書カードを渡し、受けとった側は全都道府県に及ぶ約3500名だという。

 4月11日には公正取引委員会が独禁法違反の疑いで22社の調査に乗り出すと発表し、翌12日には馳浩文部科学大臣が、調査結果によっては発行者の指定取り消しも含む対応を検討したいと記者会見で表明。

 本件についてメディアは、おおむね次のような懸念を表明してきた。

 ・教科書への信頼を傷つけた。

 ・教科書選定という重い責任を放棄した。

 ・教育への信用を失墜させた。

 ・教科書は内容重視で公正に選ぶべきだ。

 皮切りの話題は中学の英語教科書だったが、説明会などの開催は理科も変わりない。ただし少なくとも理科の場合、肝心な「教育への影響」はまずありえない。つまり上記の4点は杞憂だろう。30年ほど某社の小中高理科教科書に関与してきた経験からいうと、教科書の実質的な中身に変わりはないからだ。その背後には、日本の異様な検定制度がある。 ・・・ログインして読む
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筆者

渡辺正

渡辺正(わたなべ・ただし) 東京理科大学教授

1970年東京大学工学部卒業。1976年工学博士。2012年東京大学(生産技術研究所)定年退職、名誉教授。同年より東京理科大学教授。著書・訳書は『常温核融合スキャンダル』、「ダイオキシン」、『「地球温暖化」狂騒曲』、『星屑から生まれた世界』、『教養の化学』など約180点。

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