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伊勢志摩サミットへの期待、パリ協定を前進させる

地球とつながろう。アメリカの取り組みにも学ぶ

小林光 慶応義塾大学特任教授(環境経済政策)

 G7サミット、ホスト国の順番が回ってくる。論者が思い出深いのは、1巡前の洞爺湖サミットである。福田康夫議長の下、CO2などの温室効果ガスの排出量を2050年に現状比80%削減することをサミット参加国の目標とすることを謳った。今回の伊勢志摩サミットは、このイニシアチブをさらに一歩進めるべき節目に開かれる。それは、地球温暖化対策を長期的に進める上での、法的、そして全世界的な枠組みとなる「パリ協定」(内容については本欄昨年12月9日10日付けの拙稿参照のこと)の採択後最初の先進国首脳会議になるからである。

 伊勢志摩サミットには、全世界の地球温暖化対策のステップアップにとって大きな節目を画する役割が期待されるだけではない。地球と人類との関係全体を大きく変えていく、という一層広い文脈でも、行動を引き出すモメンタムを生むことが期待されている。

伊勢志摩サミットのリアルな意味

 地球環境の病は気候の悪化だけでなく様々なものがあり、増え続ける人類が地球環境の恵みを使い捨てにせずに長続きする形で享受できるようにすることがますます重要になっている。

 地球と人類との間で、地球や生態系を持続可能な形で使う関係を築く、との取り組みの世界的な枠組みの嚆矢は、1992年の地球サミットで採択されたアジェンダ21であって、この地球サミット20周年となる2012年には再度のリオ会議が開かれ、持続可能な開発に関する具体的な目標を定めることとされた。

拡大SDGs(グローバルゴール)のロゴマーク

 その中身のコンセンサスづくりに向けた国際社会の長期で周到な作業が無事に終わり、昨2015年9月には、「持続可能な開発目標」(SDGs)が国連の第70回総会において採択された。正確には、持続可能な開発に向けた2030年アジェンダという文書にまとめられており、その前半が宣言、そしてパラ54以下の後半が目標とターゲットになっている。このSDGsは、当然ながら地球に対して人類への譲歩を求めるものではなく、人類社会の目指すべき姿に着目し、これを17の側面から描くものになっている。 ・・・ログインして読む
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筆者

小林光

小林光(こばやし・ひかる) 慶応義塾大学特任教授(環境経済政策)

慶応義塾大学特任教授(環境経済政策)。工学博士。1949年生まれ、慶応義塾大学経済学部卒業。環境庁(省)では、環境と経済、地球温暖化などの課題を幅広く担当。1997年の京都会議(COP3)の日本誘致のほか、温暖化の国際交渉、環境税の創設などを進めた。環境事務次官(2009~11年)時代には水俣病患者団体との和解に力を注ぐ。自然エネルギーをふんだんに利用したエコハウスを自宅にしていることで有名。趣味は蝶の観察。

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