ブームの中で山岳遭難は史上最多に
2016年08月08日
初めての「山の日」(8月11日)が近づいている。近年の登山ブームを背景に、山や森を楽しむためのイベントも多く企画され、これを機会に中高年を中心とした登山やハイキングへの関心は一層の高まりを見せそうだ。
これらの遭難者を原因別に分けると、道迷い(1202人、39.5%)が群を抜くが、それに続くのは滑落(501人、16.5%)、転倒(467人、15.3%)、病気(232人、7.6%)、疲労(172人、5.7%)、転落(107人、3.5%)といったことになる。こうした数字を専門家の目で見ると、道迷いを除けば、転ぶ事故と心臓疾患を中心とする病気が遭難原因の多くを占めているとみなすことができるようだ。登山者の体力という点から言えば、特に中高年者で脚力あるいは心肺能力の不足がもとになり、遭難が多発している傾向が指摘できる。
登山に必要な体力を評価するのは簡単ではないが、だいたい、どんなスポーツと同じくらいの強度かという目安は示されている。それによると、一般的な登山ならジョギングやサッカー、テニスと同等程度であり、雪山や岩山を目指すのはランニング(分速130m)やサイクリング(時速20km)などと同じくらいだ。登山は、かなりハードな運動の一つだと認識しておく必要がある。
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