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日本の超高齢化社会の解決策を米国で考える

ボストン在住研究者の企画によるサイエンスフォーラムを11月にハーバード大で実施

北原秀治 東京女子医科大学講師(解剖学講座)

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 2016年11月12日にアメリカのハーバード大学講堂で、ボストン在住の日本人研究者たちによって作り上げられたサイエンスフォーラム“Changing the World through Japan’s Scientific Endeavors”が開かれる。アメリカに留学する日本人研究者の数はピーク時に比べて半分以下となっているが、逆風に負けず、世界に日本の研究者のレベルの高さを証明すべく、そして日本のプレゼンスをあげるという使命も果たそうと、さまざまな垣根を超えて準備メンバーが集まった。その準備段階での議論を踏まえ、日本が抱える課題の解決に私たちが取るべき対応を提言してみたい。

日本の課題とは?

 2016年1月、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、タフツ大学などに留学する在ボストン日本人研究者(人文社会系も含む)たちがボストンにあるチャイナタウンの、とあるレストランに集まった。日本学術振興会(JSPS)にフォーラムの企画を提案するためだ。フォーラムの目的は、日本人研究者と在米外国人研究者の分野を超えた交流、科学における日米協力の推進、アカデミアとビジネスの交流、そして先に挙げた日本のプレゼンスの向上である。本イベントは、JSPSワシントン研究連絡センターの野崎光昭所長の「日本の科学技術の強さをもっと世界にアピールするべき」という熱い思いが込められている。

 初回の会議では、少子高齢化、人口減少、エネルギー問題、食料自給率問題など、日本が抱える課題が数え切れないほど浮き彫りになった。その中で真っ先に日本が解決すべき問題だと研究者たちが選んだのが「超高齢化社会について」である。

 2050年、日本の65歳以上の人口割合は40%以上になると予想されており、社会保障制度や国民皆保険が今のままでは立ち行かなくなるのは目に見えている。人口を増やすためにアメリカのような移民国家へ変貌する選択肢は、今の日本には現実的でない。また、実のところ参考にできるような国も見当たらないし、その議論すら始まりにくい。超高齢化社会に付随して少子化も進むという現実を目の前にして、その解決法を果たして我々はどれほど持ち合わせているのだろうか。これらの問題を解決するにはどうすればいいのか? それを真正面から考える必要があるという点で研究者たちの意見は一致した。

抗加齢医療は問題解決の一つのヒント

 その解決策として、フォーラムでは抗加齢医療(いわゆるアンチエイジング)と再生医療を取り上げることにした。 ・・・ログインして読む
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筆者

北原秀治

北原秀治(きたはら・しゅうじ) 東京女子医科大学講師(解剖学講座)

東京女子医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。ハーバード大学博士研究員を経て現職。専門は人体解剖学、腫瘍病理学、医療経済学。日本政策学校、ハーバード松下村塾で政治を学びながら、「政治と科学こそ融合すべき」を信念に活動中。早稲田大学大学院経済学研究科在学中。海外日本人研究者ネットワーク(UJA)理事。

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