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太陽系探査の「大航海時代」の終わり

最後のフロンティア探査機となったNASAの木星探査機JUNO

山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

拡大JUNO木星探査機の到達を喜ぶNASA関係者=2016年7月4日、NASA提供
 米国航空宇宙局(NASA)のJUNO木星探査機が木星に到着した。惑星探査機が数多く打ち上げられている昨今、日本ではさして話題にならなかったが、実は太陽系の代表的な天体を網羅するという意味で、最後の「フロンティア」探査機と言って差し支えないのである。なぜ最後のフロンティアなのかを説明し、その先にあるものを述べたい。

 米国航空宇宙局(NASA)のニューホライゾン探査機が冥王星を訪れたのは昨年7月だ。冥王星は今でこそ準惑星という扱いになっているが、かつて9惑星と言われていた時代の名残で、最後の未到達惑星と言われ続けて来た。そこについに到達した訳だ。

 「到達」の内訳を表にまとめる。

拡大

 望遠鏡によって発見された天王星、海王星、冥王星が通過時の観測であり、他の天体は周回機またはランデブーによる長期観測である。改めて最近5年の太陽系探査が目覚ましいことに驚く。難しいと言われていた水星、彗星、準惑星の周回を初成功させ、太陽系から完全に飛び出すことにすら成功しているのである。準惑星には冥王星の他に小惑星帯のセレスがあるが、ニューホライゾン探査機の4カ月前にNASAのDAWN探査機がセレスに到着して周回観測を始めていた。

 さて、「到達」という意味では、1年前の冥王星探査を以て太陽系最後のターゲットに辿り着いたといえるが、科学的見地からすると少し違う。実は、その時点では木星・土星などの巨大惑星本体には辿り着いていないのだ。

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筆者

山内正敏

山内正敏(やまうち・まさとし) 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

スウェーデン国立スペース物理研究所研究員。1983年京都大学理学部卒、アラスカ大学地球物理研究所に留学、博士号取得。地球や惑星のプラズマ・電磁気現象(測定と解析)が専門。2001年にギランバレー症候群を発病し1年間入院。03年から仕事に復帰、現在もリハビリを続けながら9割程度の勤務をこなしている。キルナ市在住。

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