20年後に日本人のノーベル賞受賞者はいなくなる?
2016年10月19日
会見する大隅良典さん=10月3日夜、東京都目黒区の東工大、西畑志朗撮影この大隅さんの懸念を裏付けるデータが、9月に発表された文部科学省科学技術・学術政策研究所のサイエンスマップ2014の中にあった。これは科学研究の現状を把握するため世界中の論文を分析した報告書で、第1回のサイエンスマップ2002から数えて7回目になる。ノーベル賞ラッシュという華やかな出来事の裏で、確かに日本の科学は空洞化が進んでいる。それが文科省の研究報告書に表れていた。
大隅さんが発表した論文数=科学技術イノベーション政策研究センター (SciREX センター)の報告から90年代は、日本の科学技術行政が変革を始めた時期である。科学技術基本法が95年に施行され、科学技術基本計画が5年ごとに策定されるようになった。その効果で文科省の科学研究費(科研費)は最初の10年間着実に増額された(下図)。基本法の成立は、政府の科学技術政策の方針が明文化されるようになったという点でも歓迎すべきことだった。
日本学術振興会のホームページからそれによって
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