着床前診断と遺伝子改変の関係を米科学アカデミーはどうみているか
2017年02月24日
有力な科学者たちがつくる米科学アカデミー(NAS)が、「ゲノム編集」の医学的利用について報告書を2月14日に発表した。報告書は、精子や卵子、受精卵(生殖系列の細胞とよばれる)にゲノム編集を使う可能性や条件に踏み込んでおり、世界に衝撃を与えた。もちろん厳しい条件をつけているが、これまでの一線を越える一歩を人類が踏み出す日がいずれ来ると予感させる内容になっている。
対象となるのは、合理的な治療法がない、病気の原因遺伝子に限る、数世代にわたる長期的な影響評価を行うなど、厳しい条件をつけている。国民が議論を尽くしたうえでという但し書きもついている。
高いハードルに見えるが、本当にそうか。条件の解釈にかなり幅がありそうなことに注意する必要があるだろう。たとえば、「合理的な治療法がない」つまり「ゲノム編集のほかに方法がない」という判断は、専門家が科学的に決めることができそうにみえる。しかし、そうではない。
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