麻生財務大臣のトンデモ発言vs米国海兵隊の准将更迭処分
2018年04月20日
つまり、自分は悪くないけれど、周りが騒ぐから仕事ができなくなった、と、人のせいにして辞めるのである。日本ではこの手の言い訳をよく聞く。おそらく日本が独自に築き上げた世界に例を見ない辞任の弁の定型である。
これに先立つ4月16日、財務省は事実確認の調査をすると宣言し、マスコミ各社を通じて女性記者に調査への協力を求めた。調査にあたるのが省の顧問弁護士事務所であることが問題にされると、総責任者である麻生太郎財務大臣は「全然つきあいのない弁護士にお願いするという判断ができますか。(セクハラをしたと)言われている人の立場も考えてやらないかん。福田の人権はなしってことなんですか?」と反論。「週刊誌には言っても、守秘義務を守る弁護士には言えないっていう話はちょっとよく理解できない」とも発言した。
これも、おそらく日本の大臣でなければありえない時代遅れぶりであろう。セクハラとは何か。告発があったとき組織はどう対応すればいいのか。どうやって二次被害が起こらないようにするか。被害者を増やさないために何をすべきなのか。たくさんの当事者が何十年もかけて築いてきた知恵を、麻生大臣はこれっぽっちもご存じないのである。福田氏の言動にもあきれるが、麻生氏の無理解もひどすぎる。
ちょうど同じころ、海を隔てた米国ワシントンでは、海兵隊の家族問題担当准将がセクハラの申し立てをトランプ大統領にならって「フェイクニュースだ」と揶揄したことが問題となり、4月16日に職を解かれた。海兵隊総司令官のロバート・ネラー大将が解職を決めた。
たまたま同時期に表沙汰になった日本国財務省と米国海兵隊のセクハラ問題。かばった末に辞任を受け入れる大臣と手順を踏んだうえで解任する総司令官。そのあまりの落差に怒りを通り越して情けなさが募る。いや、女性の人権を軽視する日本の「あんな人たち」には怒り心頭なのだが、財務省トップがその任にふさわしい資質を持っていないという点は情けないと言うしかない。麻生さん、米国海兵隊トップの行動をご紹介しますから、どうぞ参考になさってください。
米国での経過はこうだ。
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