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おめでとう!はやぶさ2とリュウグウのランデブー

これから1年半に及ぶ科学探査で何が出てくるか、期待でいっぱい

平林久 JAXA名誉教授

拡大はやぶさ2が撮影したリュウグウ=JAXA提供
 小惑星探査機「はやぶさ2」がターゲットとする「リュウグウ」に、6月27日に距離20kmまで接近した。以後、両者は軌道を共にして科学探査が行われる。「リュウグウ」と聞けば浦島太郎と乙姫さま、これをランデブー飛行と言わずになんとしよう。

 報道では、打ち上げより2年半にわたる32億kmの旅を続け、現在地球から2.8億kmの距離にあるという。これはこれで正しいが、なんだか変だと思う人は健康だ。

 より丁寧に言うと、2014年12月3日の打ち上げのあと、「はやぶさ2」は地球から離れず並走して、ちょうど1年後に地球スイングバイをして「リュウグウ」を追う遷移軌道に乗り、それからは前を走る「リュウグウ」に追いつくべくイオンエンジンをふかして約2周分、ようやく20kmの近さにたどり着いたということである。

拡大はやぶさ2の旅路(赤線)=JAXA提供

 このときもちろん両者の位置も速度もほぼ同じである。こう説明されて軌道図を眺めていると、今までの3年半の軌道と努力とが見えてくる。そうして32億kmを旅して2.8億kmの先にいることが理解できる。

 いよいよ表舞台に立った「はやぶさ2」だ。計画段階からの月日を考えると、ミッショングループの喜びはたいへんなものであろう。

 「はやぶさ2」はこれから1年半のランデブー飛行の間にいろいろな科学探査をする。リモートセンシングでの「リュウグウ」全域の調査に加えて、放出されるミニローバー(小型着陸機)による探査、3回のタッチダウンによる試料採取などがあり、最大のハイライトは地下試料採取のための表面爆破である。

 私たちは、太陽系原始の名残を保ち、また炭素に富んでいるといういわゆる「C型小惑星」の姿が次第に明らかになるのを知ることだろう。「リュウグウ」は直径が900mほどという。すると表面重力は地球の5000分の1程度となろうか。「リュウグウ」の質量はそのうちに探査機の軌道変化から推定できる。

 「はやぶさ2」と地球とは通信電波が伝わるのに ・・・ログインして読む
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筆者

平林久

平林久(ひらばやし・ひさし) JAXA名誉教授

1943年、長野県生まれ。67年東京大学卒業、72年同大学院(博士)終了。同年より東京大学東京天文台、88年に宇宙科学研究所へ。2007年まで宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所教授。現在、JAXA名誉教授。専門は電波天文学。野辺山電波天文台計画にかかわった。97年打ち上げの電波天文衛星「はるか」を使ったスペースVLBI観測計画(VSOP計画)を実行した。