小島寛之(こじま・ひろゆき) 帝京大学経済学部教授
東京大学理学部数学科卒、塾講師を経て帝京大学経済学部専任講師、同助教授、2010年から現職。経済学博士。数学エッセイスト/経済学者として著書多数。『完全独習 統計学入門』(ダイヤモンド社)は12万部超のベストセラーとなっている。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
偉大な数学者フェルマーの「4平方数定理」から、長い道のりをたどって
2019年の新年を迎えるにあたって、2019という整数が持つ面白い性質をさぐってみよう。
例えば2年前には、西暦である2017と和暦である29が両方とも素数という稀有な性質があった。2019は、残念ながら素数ではない。3で割り切れる。素因数分解すると、2019=3×673 のように、2つの素数の積となる。
では、何か面白い性質を見つけることができるのか。少しマニアックな性質になってしまうが、2つほど紹介しよう。
ひとつ目は、
「べき乗数を小さい順に足していくと、2019が出てくる」
という性質である。
べき乗数というのは、同じ数を2個以上掛け算したものであり、23=8 とか 32=9 などがそれに当たる。最初のべき乗数は1だ。1は何個掛けても1だからだ。2番目のべき乗数は 2×2=4、3番目と4番目は、先ほどの8と9となる。
べき乗数はもちろん、あまり多くない。それらを小さい順にすべて足していこう。
1
1+4=5
1+4+8=13
1+4+8+9=22
このようにして22番目まで足すと、遂には2019に到達するのである。具体的には、
1+22+23+32+42+52+33+25+62+72+82+92+102+112+53+27+122+132+142+63+152+35=2019
と表される。
ふたつ目の性質を紹介しよう。それは、
「素数の平方3個の和で、6通りに表される」
という性質だ。
「素数の平方」というのは、
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