「それは持ちますか?」。日本の取り組みについてチェックは不可欠
2019年01月21日
世界の国々はいま、2030年を目標に経済、社会、環境の分野において17の持続可能な開発目標を立て、その達成を図ろうとしている。2015年9月の国連サミットで採択されたいわゆるSDGsである。
新しい年2019年の年頭にあたり、日本はいかなる経済・社会・環境をめざしているのか、改めて考えてみる必要があろう。わが日本の取り組みは、そして私の足元の沖縄ではどうなっているのだろうか?検討するに当たってのキーワードは政策・取り組みの持続可能性である。わかりやすく言えば、「それは持ちますか?」である。
日本では、2016年5月20日に安倍首相が本部長、すべての国務大臣がメンバーとなって持続可能な開発目標(SDGs)推進本部が設置され、第1回会合が開催されている。そして同年12月22日に開催された第2回会合で安倍首相は「SDGsの実施方針を本日決定しました。日本は、これまで、持続可能な経済・社会づくりのため、国際社会のモデルになるような優れた実績を積み重ねてきています。今回決定した指針には、経済、社会、環境の分野における八つの優先課題と140の施策を盛り込みました。この指針で、世界に範を示し、持続可能な世界に向けて、国内実施と国際協力の両面で国際社会をリードしてまいります」と述べている。
八つの優先課題の筆頭は「あらゆる人々の活躍の推進」で、この枠組みの中での施策としては一億総活躍社会の実現、女性活躍の推進、子供の貧困対策、障害者の自立と社会参加の支援、教育の充実が掲げられている。いずれももっともらしい施策であるが、その内容は納得のできるものであろうか。
例えば「女性活躍の推進」を「SDGsを達成するための具体的施策(付表)」で見てみると、第4次男女共同参画基本計画に基づき12の重点分野において女性活躍の推進体制の強化を進めるとしている。この12の重点分野の中の第2の重点分野は「政策・方針決定過程への女性の参画拡大」であるが、周知の通り我が国の国会における女性議員の割合は極めて低く、列国議会同盟の各国下院の調査では世界193カ国中158位であり、国の掲げる「女性活躍社会」とは程遠いお寒い状況である。
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