「地球にやさしい」から税金や財政へ。議論の深化を期待
2019年04月03日
イエローベスト運動と環境保全運動との関係だが、1月27日には、フランス全体で温暖化問題に対するデモもあって、パリでも1万人近くが集まった。隣のベルギーでは、1⽉から週1回、Fridays for Futureと呼ばれる⾼校⽣が授業に出ないで、温暖化対策強化を求めるデモをしており、1月31日には各地で3万人以上が参加した。
また、これは日本でも言えることだが、一般的な身の回りの環境問題(例えば、水や大気や食の安全など)と温暖化問題との違いが、一般市民には十分に認識されていない感じはあった。
運動に参加している人の要求は、基本的に経済的なものが中心である。具体的には、マクロンが進めている新自由経済的な政策(大企業やお金持ち優遇)に反対している。税制改革の一環として昨年、富裕税(130万ユーロを超える純資産に対する0.5〜1.5%の累進課税)を廃止したことにも大きな反発が起きた。温暖化対策は重要なものの、その経済的負担を低所得者だけが被るのは不公平という認識が強くある。
マクロンが優秀なのはみな認めるものの、傲慢(ごうまん)な物言いを時々するのも確かで、それと強圧的に見える手法が、取り残されていると思う人たちに嫌われている。また、デモ参加者で破壊的な活動をする人の多くは、パリ以外から来ていると言われ、中央と地方との対立という側面もある。さらにマクロンの環境政策や温暖化政策は見せかけ、というイメージもある。これには、昨年、環境大臣ニコラ・ユーロが、マクロンへの失望から辞任したことも影響しているようだ。
面白いことに、「日本から来ている」とデモの参加者に言うと、「お金の亡者のゴーンを
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