国交省の大臣・副大臣がそろって示した「絶対権力の絶対腐敗」
2019年04月11日
「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」は英国の歴史家ジョン・アクトンの至言である。4月6日付の沖縄タイムス1面は、この言葉通りの権力の腐敗の実態を沖縄県民にまざまざと見せつけるものであった。そこには、沖縄県による辺野古の埋め立て承認撤回に対して取り消しの採決をした石井啓一国交大臣と、安倍首相・麻生副首相への忖度発言で事実上の更迭となった塚田一郎国交副大臣の写真が並んで出ていたのである。同一の省庁の大臣・副大臣が偶然並んだというよりは必然の事態であるとの印象が拭えない。
4月1日に新しい元号の「令和」が発表されたが、元号フィーバーで安倍人気が特に若い世代の間で急上昇している。天皇制の政治利用と言うしかない。天皇の政治への関与は憲法上ゆるされていないが、天皇制と民主主義を共存させようというのならば、天皇制の政治利用を抑制する仕組みが不可欠であろう。
国交相裁決も国交相による安倍政権への忖度の産物である。そして沖縄に暮らす人々の目には、その政権自身も米トランプ政権に忖度し、武器を買いまくって南西諸島への配備を強行しているように見える。
まず今回の国交相裁決に至る経緯を見ておこう。昨年7月27日、翁長前知事が埋め立て承認撤回の意向を表明し、その遺志を受けて8月31日に謝花副知事が承認を撤回した。撤回の最大の理由は、2013年12月の仲井眞元知事の承認時には明らかでなった軟弱地盤や活断層の存在が判明したからであり、また環境保全対策が不十分と判断したからであった。
玉城知事も、国交相が審査をするのは「あたかも選手と審判を同じ人物が兼ねているようなもので『自作自演』だ」と批判した。国交相も防衛相も安倍内閣の一員として共通の国策を担っているからである。しかし国交相はこのような批判を無視し、10月30日には執行停止し、それを受けて沖縄防衛局は11月1日に工事を再開、さらには12月14日には遂に辺野古側の2-1工区への土砂投入を開始した。
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