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女性活躍推進策でこんなに違う日本とカナダ

第1回カナダ女性の日本ビジネス使節団来日で知るトルドー首相の本気

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

 カナダから初の女性だけのビジネス使節団が日本にやってきた。カナダとアジアの結びつきを強めようと活動している非営利団体「アジア太平洋基金」の主催で、基金の3人を入れて総勢24人が来日。4月2日には「介護経済における女性パートナーシップの構築」をメインテーマに多様な講演者が登壇する終日のイベントが東京のカナダ大使館で開かれ、約200人が参加した。2015年に就任したジャスティン・トルドー首相は男女半々の内閣を組んだ。「女性活躍」をうたいながら現在は女性が1人しか入っていない安倍内閣。政治のイニシアチブの違いが社会にどれだけの差をもたらすかを実感させた使節団来日だった。

理にかなった女性だけの日本へのビジネス使節団

 2日のイベントの最初のセッションでのスピーカーは3人。首席通商官兼国際ビジネス開発大臣副補佐官のアイリッシュ・キャンベルさんが「カナダ政府のビジネスウーマン支援策」、衆議院議員で予算委員長を務める野田聖子さんが「日本における女性活躍推進」、カナダ連邦政府首席科学顧問のモナ・ネメールさんが「科学技術分野に関わる女性支援」についてそれぞれ語り、一緒に討論した。要職にある女性たちがいきいきと本音で語り、「女性だからと尻込みする必要はない」と聴衆を力づけるトークセッションだった。

右からモナ・ネメールさん、野田聖子さん、アイリッシュ・キャンベルさん、司会のヴィアン・ティモンズ・レジャイナ大学学長

 次のセッションでは実際にビジネスにかかわってきた女性たちが登壇、午後は高齢者介護の課題や新しいテクノロジーなどが議論された。

 今回の使節団は、女性が率いる中小企業に日本とのビジネスチャンスを得てもらうのが第一の目的となっている。もちろん、交流してお互いに理解を深めることも目的になっているが、あくまでビジネスにつなげるのが目標だ。日本社会は猛スピードで高齢化が進んでおり、「課題先進国」とも呼ばれる。一方、女性が率いる企業や組織は介護、保育、保健医療といった分野に多い。しかも規模は小さい。そして、中小企業こそが国を支えているのはカナダも日本も同じである。中小企業の応援こそが国を活性化させるのである。ビジネスファーストで考えて、理にかなった初の「ウーマンオンリー」の使節団なのだ。何と地に足をつけた戦略か、と感じ入る。

自由党政権になって復活した首席科学顧問

 「科学技術の世界にもっと女性を」と熱弁した首席科学顧問のモナ・ネメールさんには、個別にインタビューする機会を得た。カナダでは2004年から2008年まで首席科学顧問がいたが、保守党政権がこのポストをなくした。2015年の総選挙で

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