「日本は将来のエネルギーについて決定すべき時」 アミン前IRENA事務局長
2019年06月03日
日本で開かれる主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会議や首脳会議を前に、政府は地球温暖化対策に関する「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(仮称)」をまとめる。長期戦略は、パリ協定で2020年までに提出することを求められており、主要7カ国(G7)では、日本とイタリアだけが未提出だった。G20議長国として、メンツを守ることが主な目的なので、これまでの政策の焼き直しになりそうだ。
世界に目を向ければ、再生エネはとっくに主力電源になっている。REN21(21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク)の「自然エネルギー世界白書2018」によれば、2017年に新規導入された再生エネ発電設備は178GW(1億7800万kW)で、全体の発電設備の増加分の70%を占めた。投資額の約75%は、中国、欧州、米国に向けられた。
報告書は、今年4月に8年間の任期を終えた前事務局長のアドナン・アミン氏が中心となってまとめられた。退任前に日本への提言を含めて聞いた。
――今回の報告書の目的は何か。
アミン ここ10年間に世界のエネルギーに起きた大きな変化を、理解するためだ。エネルギー全体で、最も伸びが著しかったのは再生エネだ。過去6年間、毎年、最も発電設備量を伸ばしたのは再生エネだ。コストも下がり、ほかのどのエネルギーと比べても競争力を持つようになった。
これまでのエネルギー資源は、一部の国々が保有していたので、それらの資源国は、エネルギーを戦略的、政策的に活用することができた。だが、再生エネでは、すべての国々がある程度は自分たちのエネルギーを国内でまかなえる。エネルギー自給や自立もある程度は可能だ。これは国家間の力関係にも大きな意味を持つ。
――それはどういうことか。
アミン 再生エネの導入拡大によって、電化やシステムの安定性が進む。化石燃料時代は、エネルギーの確保が力の源泉だった。だが、これからは再生エネへの投資や技術革新が力を生む時代になる。化石燃料の資源を持っているかどうかは、もはや問題ではない。
これまでの過去50年間に支配的だった国家間の力関係は、
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