ベトナムの詩人インラサラさんと少数民族の命がけの闘い
2019年07月11日
沖縄では、夏至(6月22日)や慰霊の日(6月23日)を過ぎても一向に雨が上がる気配がなかった。例年にはないことだ。久米島、大東島、粟国島などから、次々と記録的豪雨の報が届く。明らかに気候がおかしくなっている。
辺野古では、キャンプ・シュワブのゲート前で座り込みをしている人たちと交流し、夕方には那覇の沖縄大学で講演を行った。
ベトナム政府は2016年11月、日本(第2原発)とロシア(第1原発)による原発建設計画を中止した。中止の原因は、3.11の福島原発事故後の建設費急騰に財政難で対応できなくなったためと言われているが、内外の様々な言論活動も影響したと思われる。
ニントゥアン省は2世紀から17世紀にかけて東南アジアを代表する海洋貿易を展開した、先住民族チャム人が築いた「チャンパ王国」の最後の中心地があった地域で、チャンパ王国と琉球王国には交流の歴史があり、15世紀には琉球からラキウ王女がこし入れしたとも伝えられている。王国は、北方から侵攻してきたキン人(現在のベトナムの多数民族)と戦って敗れ滅亡した。
ベトナムは日本とは体制の異なる国であり、通常、政府の政策に反対する意見を発表すると、公安から圧力がかかったり、逮捕・監禁されたりすることもある。そうしたベトナムで、原発建設計画が浮上した直後からチャム人の先頭に立って反対を唱えてきたのが、ホーチミン市(かつてのサイゴン市)在住のチャム詩人のインラサラさんである。
同氏は、2012年4月に小説「チェルノフニット(チェルノブイリとフクシマとニントゥアンの意味)」を執筆したが、どの出版社からも出せなかった。
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