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沖縄国際大学に米軍ヘリ墜落から15年

求められる対等な日米関係の構築

桜井国俊 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

 今年8月12日の沖縄タイムスは、沖国大ヘリ墜落15年にあたって稲嶺元知事に当時の心境について聞いている。稲嶺元知事は、小泉首相に面談を断られた件について、「学業の場へのヘリ墜落の重大性を理解してもらえなかった。とてつもない温度差を感じた」と述べている。また米軍の現場規制については「日本の民間地なのに警察も消防も立ち入りを規制された。主権国家として由々しき事態で、米国属国のように見えた」と振り返っている。

拡大米軍ヘリの墜落で焼けた沖縄国際大のアカギの前で、大学が「平和の集い」を開いた=2019年8月13日、藤原慎一撮影

 そして稲嶺元知事は「もし東京都内で同じ事故が起きたらどうなるか。沖縄で起きたことに国民の実感は弱い。寂しさを感じる。世代が変わり、戦争体験者が減り、沖縄の心を知る人が少なくなった。沖縄と本土との温度差はさらに広がるだろう」としている。

 沖縄と本土のこの温度差をそのものズバリ示したのが、ここにきて急浮上した羽田空港の新航路に伴う落下物や騒音をめぐる大騒動である。2020年の東京オリンピックに向け、国際線の発着回数を増加させるべく航路変更が計画され、頭上を飛行機が飛びかうこととなった都内の住民たちが、落下物や騒音などの懸念から反対の声を上げている。当然の声ではあるが、普天間基地の周辺住民からすれば、なぜ都民の声は取り上げられて自分たちの声は無視されるのかと愚痴も言いたくなるだろう。現実に、離発着する軍用機から窓などが周囲の小学校や保育園に落下し、避難訓練までもが繰り返されているのが沖縄の実態である。

「沖縄の歩み」と「属国」

 九州大と沖国大における米軍機墜落事故への対応の差は、我々に何を示しているのだろうか。筆者がこの15年間こだわってきたこの問いに、考えるヒントを与えてくれるのは次の2書である。それは国場幸太郎氏の「沖縄の歩み」(岩波現代文庫)とガバン・マコーマック氏の「属国」(凱風社)だ。

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筆者

桜井国俊

桜井国俊(さくらい・くにとし) 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

1943年生まれ。東京大学卒。工学博士。WHO、JICAなどでながらく途上国の環境問題に取り組む。20年以上にわたって、青年海外協力隊の環境隊員の育成にかかわる。2000年から沖縄暮らし。沖縄大学元学長。

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