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温室効果ガスの総量管理とは何か

温暖化の脅威を何としても食い止めるために

西村六善 日本国際問題研究所客員研究員、元外務省欧亜局長

 このように、パリ協定は元々、CO₂排出の総量を規制したり、管理したりする仕組みではない。各国の政府が、自分の国の企業などの排出量を「前年比××パーセント低下させる」と国連の機関に誓約する仕組みだ。

 総量は管理されていないし、誓約を破っても罰則は無いのだ。現行の仕組みを続けても温暖化という人類的危機を制圧できる保証は無い。

温暖化を制圧する仕組みが不可欠

 今回のネイチャー誌の論文は、仮に世界は30~40年かけて580ギガトンCO₂という排出総量を超えないようにしたら、1.5度目標は5割の確率で実現すると述べている。

拡大「気候変動に取り組むことはセクシー」。国連で演説する小泉進次郎環境相=2019年9月22日、松尾一郎撮影
 要するに、科学者たちは総量を管理することを示唆している。今日温暖化への危機意識がこれだけ高まり、国際社会は本当にこの戦いに勝てるのかどうかについて、これだけ疑念と危惧が高まっている時、科学を座標軸にした新しい解決法、必ず温暖化を制圧する仕組みを探求するべきではないか?

 今回の科学者の計算に基づいて総量管理を行うのは、

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筆者

西村六善

西村六善(にしむら・むつよし) 日本国際問題研究所客員研究員、元外務省欧亜局長

1940年札幌市生まれ。元外務省欧亜局長。99年の経済協力開発機構(OECD)大使時代より気候変動問題に関与、2005年気候変動担当大使、07年内閣官房参与(地球温暖化問題担当)などを歴任。一貫して国連気候変動交渉と地球環境問題に関係してきた。現在は日本国際問題研究所客員研究員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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