米軍基地周辺の水質汚染にも注目の条項が
2019年10月10日
いま米議会で2020会計年度の国防権限法案の審議が進められ、沖縄はその行方を大変に注目している。上院で可決した法案は「沖縄の海兵隊の削減は急務」とし、在沖海兵隊のインド太平洋地域における分散配置計画の再調査を国防総省と政府監査院(GAO)に求める条文1255条が含まれているからだ。下院で可決した法案にはこの条項はないが、現在、両院は相違点の調整のための協議を進めており、一本化後両院で可決し、大統領が署名して成立する。最終案に再調査要求が残るか否かがカギである。
同文書は、再調査を通じて国防総省と政府監査院が明らかにすべき辺野古新基地問題のポイントは何かについて具体的に指摘している。特に注目すべきなのは、辺野古大浦湾には2つの活断層があるとの報告がある一方で沖縄防衛局はそれを問題なしとしているが、国防総省が辺野古弾薬庫での核兵器の貯蔵を望んでいるというのがもし本当だとすれば、活断層であるか否か国防総省自身で判断する必要があるのではないかという指摘である。元軍人の会ならではの国防総省の論理に踏み込んだ指摘といえよう。国防総省の高さ規制を超える障害物が新基地周辺に多数存在するという指摘も同様である。
そして第三の動きは、沖縄県の玉城デニー知事が米国防権限法の成立前にも米国を訪問し、米議会に働きかけようと検討を進めていることである。訪米は14日を計画。知事は在沖海兵隊の配置や普天間飛行場の辺野古移設について、見直しを訴える構えだ。
上に見たように2020年度国防権限法でまず注目されているのは、在沖海兵隊の分散配置計画の再調査を求める上院案1255条の行く末であるが、沖縄県内の米軍基地周辺で問題となっている有機フッ素化合物PFOS・PFOA(泡消火剤として使用されている)による水質汚染に関しても注目すべき条項が含まれている。
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