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大学入試新テストを中止しても高校生は困らない

高校2年生を対象にした意識調査の結果を公表

吉田弘幸 予備校講師

拡大文部科学省前で、大学入試改革に反対の声を上げる高校教師や高校生ら=2019年10月4日、東京都千代田区、宮崎亮撮影
 2021年度の大学入試に導入される英語民間試験について、問題点が国会でも議論されるようになった。私は、予備校や塾で、受験生や高校生に物理を教えている。センター試験に代わって始まる「新共通テスト」(以下、「新テスト」)には、英語民間試験にとどまらず、多くの問題点があると考えており、有志とともに「“入試改革”を考える予備校講師の会」を作り、新テストの延期・中止を求める活動をしている。このほど、新テストを受ける現在の高校2年生を対象に「新共通テストに関する意識調査」をしたので、結果を報告したい。

新テストの二つの問題点

 新テストに関しては、計画が公表された当初から様々な問題点が指摘されていた。その主なものは、

1 英語の民間試験の活用に関する問題
2 記述問題の導入に関する問題

の2点である。

 英語の民間試験の活用は、英語4技能(「読む」「聞く」「話す」「書く」)の総合的な評価を重視することを目的として決定された。ところが、採用が予定されていた民間試験の大手TOEICが7月に撤退するなど、混乱した状況が続いていた。9月10日には、全国高校長協会が「受験生の不安が解消できていない」として、文部科学省に対し現状のままならば実施を見送ることを求めた。

 一方、同月19日には、私立中高連合会の吉田晋会長が文部科学省に対して「延期せずに円滑な実施を目指すべきだ」とする要望書を提出した。その根拠は、新しい入試制度に向けて準備を進めてきた生徒が困るという内容であった。これに対して、萩生田文部科学大臣は予定通り実施する意向を示し、「今さら新共通テストを延期や中止をすれば混乱する」との趣旨の発言もしていた。

延期や中止をしたら高校生は本当に困るのか?

 私たちが高校2年生の意識調査が必要だと思った直接のきっかけは、私立中高連合会会長と萩生田文科大臣のやりとりに対し「延期や中止をしたら高校生は本当に困るのか」と疑問を抱いたことだ。この点をストレートに尋ねた設問11の回答結果は、 ・・・ログインして読む
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筆者

吉田弘幸

吉田弘幸(よしだ・ひろゆき) 予備校講師

早稲田大学理工学部物理学科卒業、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了、慶応大学法科大学院修了。河合塾やSEGなど大学受験の予備校・学習塾の物理と数学の講師を1988年から続けている。国際物理オリンピック日本委員会委員として日本から派遣する選手の選考・研修にも携わっている。2014年にはカザフスタン大会に同行役員として参加した。