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映画「天気の子」から人新世を考える

陽菜と帆高、環境活動家グレタ・トゥンベリが、16歳なのは偶然か

谷淳也 Future Earthシニア・アドバイザー、ライター

 産業革命後に、地球の平均気温は約1度上昇し、このままだと今世紀末までには4度以上上昇する、と予測されている。異常気象や海面上昇、陸や海の生態系の破壊が急速に進み、災害、食料供給、安全、健康、経済活動などの面で、人類社会は深刻なダメージを受ける。人類文明存亡の危機と言っても、あながち大げさではない。

台風19号では千曲川の堤防が決壊した=2019年10月13日、長野市、遠藤真梨撮影拡大台風19号では千曲川の堤防が決壊した=2019年10月13日、長野市、遠藤真梨撮影

 ちなみに、「天気の子」に描かれた急激な気温低下、雪、ひょうなどは、温暖化による異常気象として実際に起こる可能性がある。

 今年9月の台風15号や10月の台風19号による被災は、すでに予想されていた温暖化による台風の強大化と、それに対する備えの無策という二重の意味で、人災といえる。

「情景」に圧倒される

 巨大な積乱雲の連なりの上に草原があり、雨や水と見まがう不思議な魚たちが泳ぐ空の「生態系」が、リアリティーとして現れる。しかし、

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筆者

谷淳也

谷淳也(たに・じゅんや) Future Earthシニア・アドバイザー、ライター

1958年山口県生。下関西高高等学校、東京大学卒。東京銀行(現・三菱UFJ銀行)、Citigroup(米)、UBS、Credit Suisse(共にスイス)で金融ビジネスに従事。その後、障害者支援、地方活性化、教育など幅広く社会活動にかかわり、ヨハン・ロックストローム著「小さな地球の大きな世界」の翻訳を契機に地球環境問題に取り組む。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです