アジア人に合った薬の開発と使い方の確立でリーダーシップを
2019年11月15日
一般に薬の効果や副作用の現れ方は人種によって異なり、最近ではその人種差には遺伝子配列の違いがあることも明らかにされ始めている。特に、精神・神経疾患治療薬の効果には文化的背景が大きく影響することから、アジア人に合った新薬の開発とともに既存薬の適切な用量用法の確立がより一層重要となっている。
二大精神疾患と言われる統合失調症とうつ病に対する治療薬がそれぞれ1950年代に登場し、その後改良が加えられ多くの治療薬が開発された。その結果、精神科医療は大きく向上し、それまで隔離されていた患者の多くが病気を抱えながらも社会で活躍できるようになった。この間に登場した薬のすべてが欧米で開発されたというわけではなく、統合失調症に使われる大塚製薬のアリピプラゾールや大日本住友製薬のブロナンセリンなど、日本の製薬企業の貢献も大きい。また、世界初の認知症治療薬アリセプトはエーザイで開発された。
しかし、統合失調症とうつ病では既存の薬では治らない患者が患者全体の30%ほどを占める。認知症や発達障害など他の精神・神経疾患においても既存の治療薬の効果は限定的であり、新薬の開発は今も求められている。また、日本では多剤大量処方による副作用で苦しんでいる患者も多く、適切な用量用法の確立も喫緊の課題である。
このようなニーズがあるにもかかわらず、
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