メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

生物多様性の海、沖縄県大浦湾を守る

日米地位協定に挑む安部集落のおばあ達

桜井国俊 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

 証拠物の機体についても米軍が回収したため触れられず、捜査は不十分な形で終結となった。結局、中城海上保安部は時効(3年)前の19年9月24日に航空危険行為処罰法違反の容疑で、オスプレイを操縦していた機長を氏名不詳のまま那覇地検に書類送検した。米軍機の墜落事故をめぐっては04年8月に沖縄国際大学で起きた大型ヘリCH53Dの墜落事故でも、米軍は県警の捜査協力を拒み、県警は今回と同様に被疑者不詳のまま書類送検した。その結果、那覇地検は不起訴としており、今回も不起訴となる見通しである。

納得しない安部のおばあ達

 オスプレイが墜落した安部地区は、大浦湾をはさみ新基地建設が進められる辺野古岬の対岸に位置する小さな集落である。墜落を契機に「オスプレイNO・大浦湾の環境を守る安部おばあ達の会」が立ち上がり、筆者はその活動にささやかな支援をしてきた。その安部おばあ達の会が、オスプレイ墜落からちょうど2年目の昨年12月13日〜16日、写真展「大浦湾の生きものたち」を大浦湾沿いの集落の瀬嵩(せだけ)にある名護市役所久志(くし)支所で開催したことは既に報告した通りである。

拡大写真展の会場で米軍基地の環境問題について講演を聞く市民たち=2018年12月16日
 瀬嵩でのこの写真展がきっかっけとなって、その後、沖縄県内の各大学で写真展が開かれていった。その結果、いまや若者を含め多くの県民が辺野古・大浦湾の海が類まれな生物多様性の海であることを知り、守ろうとしているのである。辺野古・大浦湾の海が世界に二つとない貴重な自然であることは、日本生態学会をはじめとする19の学会が、14年11月11日、連名で防衛大臣に対し辺野古新基地の建設を見直すよう要望書を提出していることが何よりの証左である。
・・・ログインして読む
(残り:約1318文字/本文:約2746文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

桜井国俊

桜井国俊(さくらい・くにとし) 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

1943年生まれ。東京大学卒。工学博士。WHO、JICAなどでながらく途上国の環境問題に取り組む。20年以上にわたって、青年海外協力隊の環境隊員の育成にかかわる。2000年から沖縄暮らし。沖縄大学元学長。

桜井国俊の記事

もっと見る