下條信輔(しもじょう・しんすけ) 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授
カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授。認知神経科学者として日米をまたにかけて活躍する。1978年東大文学部心理学科卒、マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。東大教養学部助教授などを経て98年から現職。著書に『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書)『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
1年の始まりに考える、視覚シンボルをめぐる国家間の対立と和解のゆくえ
話を旭日旗に戻すと、責める韓国側の論理は比較的わかりやすい。「旭日旗は第2次大戦当時、日本が韓国を含む他国を侵攻する時に使用した帝国主義軍旗。国際社会でナチスの象徴のハーケンクロイツはタブー視されているが、旭日旗に対する認識は依然として低い」(中央日報電子版、12月20日;産経デジ IZAによる)。
ハーケンクロイツといえば、日本の地図の寺マークも問題になった。寺マークは外国人にはナチスを連想させる。そこで国土交通省・国土地理院が、多言語表記の地図では「三重の塔の図案など、誤解のないものに変えては」と提案した(BBCニュース、2016年1月21日)。だが異論も多く、結局は見送られた(ハフポストニュース、同年3月31日)。確かに図柄だけ見れば反転させただけで「酷似している」と言っていいが、ここでは「歴史的な出自が全然ちがう」という論理が通ったようだ。
さて、旭日旗批判に反論する日本側の論理は、となると、日本人でもあまり理解していないようだ。そもそも旭日旗は帝国海軍の軍艦旗だった。
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?