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迷路に入った核軍縮と2020年の日本のゆくえ

今こそ核兵器依存から抜け出し、真の平和に向けた対話による信頼関係を築け

鈴木達治郎 長崎大学 核兵器廃絶研究センター(RECNA)副センター長・教授

 すなわち、米ロが核軍縮対話を進め、安全保障政策における核兵器の役割を低減させない限り、世界の核軍縮は進まないのである。米ロの対話の復活は、世界の核軍縮にとっても不可欠な要素であり、米ロにとっても、新たな核軍拡競争を避け、核戦争のリスクを低減させることにつながる。さらに冷戦時代と異なることとしてサイバー兵器やAIといった先端技術を用いた新たな「大量破壊兵器」の導入も危惧されており、こういった分野でも対話の開始が求められる。

NPT体制の維持と「核と安全保障」をめぐる対話促進を

 NPTが1970年に発効しており、2020年に50年目を迎える。2015年の再検討会議では最終文書合意に至らず、2017年の核兵器禁止条約採択を経て、核兵器国や「核の傘」国と非核保有国のあいだで溝は広がっている。核兵器禁止条約は現在、34カ国が批准しており、おそらく早ければ今年にも条約の発効に必要な50カ国に達成するだろう。核兵器国と「核の傘」国は、核兵器禁止条約がNPTを弱める条約であるとして敵視してきたが、もはやそういった言い分だけでは説得力を持たない。禁止条約が発効することを前提に、どうやってNPT体制を維持し、そしてNPT第6条の軍縮義務を遂行していくか、真剣に考え始めなければならない。

拡大初会合する核軍縮賢人会議=2017年11月27日、広島市、上田幸一撮影
 その一つのヒントが、日本政府が設置した「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」(以下賢人会議)の提言である。
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筆者

鈴木達治郎

鈴木達治郎(すずき・たつじろう) 長崎大学 核兵器廃絶研究センター(RECNA)副センター長・教授

長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)副センター長・教授。1951年生まれ。75年東京大学工学部原子力工学科卒。78年マサチューセッツ工科大学プログラム修士修了。工学博士(東京大学)。マサチューセッツ工科大エネルギー環境政策研究センター、同国際問題研究センター、電力中央研究所研究参事、東京大学公共政策大学院客員教授などを経て、2010年1月より2014年3月まで内閣府原子力委員会委員長代理を務め、2014年4月より現職。またパグウォッシュ会議評議員を2007~09年に続き、2014年4月より再び務めている。

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