『銀河鉄道の夜』から見える「躍動する宇宙」の先見性
2020年01月14日
ドイツ出身の物理学者アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)はたった一人でニュートン力学を乗り越えた人だ。光の速度はどこでも同じである(秒速30万キロメートル)。この仮定だけから特殊相対論を構築し、空間三次元と時間一次元(四次元)がお互いに助け合って光速度一定を実現していることを明らかにした。1905(明治38)年のことだ。
また、重力の効果と加速度運動の効果は同じであることに気がついた(等価原理)。1916(大正5)年、この原理に基づいて一般相対論の構築に成功した。これは重力の理論で、そのエッセンスは「時空は物質に移動の方法を教える。物質は時空に曲がる方法を教える」(右図)である。結局のところ、ニュートン力学は物体の運動速度が光速度に比べて十分遅い場合、近似的に正しい理論体系だったのだ。かくして、アインシュタインは20世紀初頭に、物理の世界を一変させた。
そのアインシュタインだが、宇宙の本質は見誤っていた。彼は、
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