日本が認められて当然であるこれだけの理由
2020年01月28日
この報告を聞いて、当然の結果だと思った。日本には第四紀の地層が広く分布しており、データがそろっていたからだ。しかもこの時代の始まりは「最後の地磁気反転があったとき」で、地磁気が反転するという驚くべき現象を京都大学の松山基範(1884 – 1958)が発見していたのだ。この先駆的な業績を世界の地質学者はみな知っている。チバニアンは認められるべくして認められたのである。
地球は46億年の歴史を持っている。それと比べると非常に短い日本の歴史ですら、いろいろな時代に分けられている。土器の形式とか、政治の中心地の名前とか、天皇の名前などによってそれぞれの時代が名付けられている。考えてみれば統一性に欠けるが、その方が使いやすいからだろう。それでは地球はどんな時代分けがなされているのだろうか。
映画『ジュラシック・パーク』のジュラシック(ジュラ紀)、テレビ番組『カンブリア宮殿』の名前のもとであるカンブリア紀などはみんなが知っている地質時代の名前であろう。カタカナの名前だけでなく、漢字の名前もある。恐竜の好きな人ならば白亜紀も知っているだろう(余計な話だが、映画『ジュラシック・パーク』に出てくる恐竜はほとんど白亜紀のものである。「白亜紀パーク」では格好悪かったのだろう)。
地質時代の名前のもとはほとんど西欧にある。ジュラ紀はフランスとスイスの国境地帯にあるジュラ山脈、カンブリア紀はイギリス・ウェールズ地方のカンブリア山脈またはカンブリア部族、白亜はドーバー海峡の両側の石灰岩(ここの石灰岩は白い)など。こうした名前が付いているのは、地質学が西欧ではじまったからだ。
さて、地質時代の名前はどのように付けられていったのだろうか。チバニアンが第四紀と知っている方は第一紀や第二紀がないことを不思議に思われなかっただろうか。実は、
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