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日本はなぜ環境後進国になったのか?

「温暖化対策の優等生」という神話が、いまだに信じられているワケ

明日香壽川 東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授

温暖化は社会正義の問題

 一方、国際社会では、「温暖化問題は、社会正義、特に貧困、格差、人権、雇用、差別、南北問題などの問題そのものであり、社会システム全体の大きな変革を必要とする、極めて政治的な問題」と捉える認識がますます強くなっている。

なぜ、日本は不名誉な化石賞を授賞し続けるのか。コメントする小泉進次郎環境相=2019年12月、マドリード、松尾一郎撮影拡大なぜ、日本は不名誉な化石賞を授賞し続けるのか。コメントする小泉進次郎環境相=2019年12月、マドリード、松尾一郎撮影

 化石燃料会社、1%の富裕層、先進国および途上国の政治的支配層、ウォール・ストリート、ネオ・リベラル主義者、新植民地主義者、白人至上主義者、先住民やマイノリティーや難民を虐げる人々、人権を踏みにじる人々、そして温暖化対策に反対する人々は、みな同じであり、財産や命を奪うという意味では略奪者あるいは殺人者であり、彼らに対抗し、社会システムを変革することこそが正義だと考える。すなわち、根本的に認識が違う。

日本のメディアも問題

 こうなってしまったのには、メディアにも責任がある。COP25終了直後の2019年12月17日の朝日新聞の社説「気候変動会議:これでは未来が危ない」を例に取り上げたい。朝日新聞は、相対的には温暖化問題に極めて積極的な新聞社である。しかし、この社説の中には、下記のようにミスリーディングな記述が二つあった。

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筆者

明日香壽川

明日香壽川(あすか・じゅせん) 東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授

1959年生まれ。東京大学工学系大学院(学術博士)、INSEAD(経営学修士)。電力中央研究所経済社会研究所研究員、京都大学経済研究所客員助教授などを経て現職。専門は環境エネルギー政策。著書に『脱「原発・温暖化」の経済学』(中央経済社、2018年)『クライメート・ジャスティス:温暖化と国際交渉の政治・経済・哲学』(日本評論社、2015年)、『地球温暖化:ほぼすべての質問に答えます!』(岩波書店、2009年)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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