経済や雇用にプラスで、停電、電気代、財源の問題はない
2020年03月16日
日本での温暖化対策を進めるためには、政府が設定した今のエネルギー・ミックスの目標数値を変える必要がある。なぜなら、今のエネルギー・ミックスは省エネと再エネを軽視し、石炭を重視しているため、温室効果ガスの排出削減量は極めて小さいからだ。
温暖化対策を進めるには、省エネや再エネの導入を促進し、石炭火力をフェーズ・アウトさせるようなエネルギー転換が必要となる。しかし、そのような主張に対して、「具体的な対案になっていない」「経済に悪影響」「原発がないと温暖化対策は無理」「単なる精神論」などの反論が必ず出される。
筆者らは、これらの反論が間違っていることを具体的に示すために、米国などでのグリーン・ニューディールの議論も参考にしながら「原発ゼロ・エネルギー転換戦略(以下、エネルギー転換戦略)」を作成し、多くの人々と共有しつつある。
筆者らは、このようなシナリオの達成に必要な具体的政策や投資額を詳細に明らかにし、1)投資額をはるかに超える利益が発生する、2)2050年までに数百万人規模の雇用が新たに創出される、3)電気代が下がる、などプラスの経済効果を定量的に明らかにした。
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