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民放テレビの新型コロナ報道がひどすぎる

東日本大震災時に訴えた「批判より提言の時」をいま再び

須藤靖 東京大学教授(宇宙物理学)

拡大乗客が長期間留め置かれ、船内で感染が拡大した大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号=2020年2月19日、山本裕之撮影
 批判すること自体は大切である。しかし、無責任に「べきだった」と批判するだけではなく、今から具体的にどうやれば実行できるのかまで踏み込んだ提言をすることがその前提だ。具体的対策をともに練り上げて、実行する立場にいる人たちがすぐ取り入れられるレベルの議論を尽くすことで、前線で頑張っている人たちの負担を少しでも軽減するという発想でなくては意味がない。でなければ、我々素人の誰でも思いつく程度の不平不満をテレビ電波で垂れ流し、人々の共感を集めて刹那的に溜飲を下げるだけに終わる。

 テレビのワイドショーには例えば2時間というあらかじめ決まった時間枠がある。そのためであろうか、ただでさえ薄い内容をさらに水増しして時間を延ばして放送しているとしか思えない。通常時はそれでも良かろう。単に見なければ良いだけだ。しかし、現在のような状況下では、人々は最新の信頼できる情報を求めている。インターネットやSNSで根拠のない情報が氾濫し拡散しうる時代だからこそ、通常時の毒にも薬にもならずとも人々の興味を引くワイドショー的なトピックの取り扱いとは全く異なり、それなりの責任が求められるはずだ。

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筆者

須藤靖

須藤靖(すとう・やすし) 東京大学教授(宇宙物理学)

東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。1958年高知県安芸市生まれ。第22期・第23期日本学術会議会員。主な研究分野は観測的宇宙論と太陽系外惑星。著書に、『人生一般二相対論』(東京大学出版会)、『一般相対論入門』(日本評論社)、『この空のかなた』(亜紀書房)、『情けは宇宙のためならず』(毎日新聞社)、『不自然な宇宙』(講談社ブルーバックス)などがある。

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