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新型コロナ「収束のカギ」にぎる集団免疫とはなにか

メルケル首相が語った「全人口の60~70%が感染する」の本当の意味

唐木英明 東京大学名誉教授、公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長

 ここに専門家会議の見解と首相の判断の間に食い違いが見られる。専門家会議は、北海道知事が2月28日に出した緊急事態宣言の効果判定は2週間後の3月19日になると報告したのであって、全国の状況については「爆発的な感染拡大には進まなかった」という結論を出している。全国的な自粛を10日間延長する明確な根拠はないのだ。だが14日の記者会見でも、首相は改めて自粛の継続を国民に求めた。それでは、どのような状況になったら自粛を解除するのだろうか。感染者の増加はいつピークを迎えて、減少に転ずるのだろうか。

ウイルスと免疫——集団免疫とはなにか

 ここで注目されるべきなのが、専門家会議が示した「集団免疫」という考え方だ。専門家会議は、2月24日に「今後1~2週間が瀬戸際」との見通しを示した後、1週間後の3月2日にも開かれ、集団免疫について言及している。ほとんど報道されなかったが、会議が表明した見解のなかに、次のような重要な一節があった。

拡大電子顕微鏡で見た新型コロナウイルス=米国立アレルギー・感染症研究所提供

「感染症のなかには、大多数の人々が感染することによって、感染の連鎖が断ち切られ、感染していない人を保護する仕組みが機能できるものもあります」。これが集団免疫だ。

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筆者

唐木英明

唐木英明(からき・ひであき) 東京大学名誉教授、公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長

1964年東京大学農学部獣医学科卒。農学博士、獣医師。東京大学農学部助手、同助教授、テキサス大学ダラス医学研究所研究員などを経て、東京大学農学部教授、東京大学アイソトープ総合センターセンター長などを務めた。2008〜11年日本学術会議副会長。11〜13年倉敷芸術科学大学学長。著書「不安の構造―リスクを管理する方法」「牛肉安全宣言―BSE問題は終わった」など。

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